【人生の最終段階とはいつから?】ACPを考える

ACP(Advance Care Planing)という言葉ここ数年で急速に流行り、
厚生労働省も「人生会議」と銘打って国民に対し広めようと動いているのはご存知かと思います。

 

ACPとは「将来について(または将来受ける治療について)、
あらかじめ信頼できる医療者や親しい家族や友人と話し合っておくプロセス」と言われています。
この説明を聞いてピンとくる方も、逆に全然こない方もいると思います。
要は話し合っておきましょう、といったところでなんて話を切り出すでしょうか。

 

このシリーズでは、
*ACPとはなんなのか。
*ACPを進めるポイントは何か。
*医療者ができること/役割は何か
ということについて考えていきたいと思っております。

 

僕としては、ACPは末期医療や終末期にだけ行われるものではないと考えており、
むしろそういった段階になったと思った時には話し合うタイミングとして手遅れになることも往々としてあると考えています。
同じようにACPについて学びたい、深めたいと考えている、
特に同じ医療者の方や一般の人までに読んでいただけると幸いです。

 

第1回は「そもそも人生の最終段階はいつから?」ということを書いています。
 
・人生の最終段階とは?
・人生の最期にやっておきたいこと
・人生の最終段階の定義
 
内容は5分程度で読めるものとなっています。
では、参ります。

 

 
けーた
この記事を書いているのは、看護師歴10年ちょっとの者です。 普段は、専門看護師、心臓リハビリテーション指導士として働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramTwitterブログを使って発信しています。 「はじめまして」はこちらから。
 
 
 
 

Contents

人生の最終段階とは?

まず人生の最終段階という言葉自体が曖昧であると思いませんか。
・死ぬ直前なのか、
・死ぬ時期が分かった時なのか、
皆さんはどのように考えていますか?

 

例えば、あなたが進行性の慢性疾患を患っている患者だとしましょう(不謹慎ですが)。
何年も診てもらっている先生に、ここ数ヶ月病状の進行が見られ、
もしかしたら1~2年で急変や亡くなる可能性があると説明を受けました。

 

とても曖昧な段階なので、
予後告知と捉えていいかは微妙です。
しかし、本当にあと1年で死ぬとしたら?
あなたはどんな不安にかられるでしょうか?

 

人生の最期にやっておきたいこと

あなたは次の受診時に、
実際にあと1年で死ぬといたらやっておいた方がいいことがあるのかと疑問が湧き、
主治医に聞きたいことをまとめていくことにしました。
 
・これから病状が進行したらどんな症状が出るのだろうか(病状について)
・生活は続けられるのだろうか、気をつけることあるか(療養生活について)
・家族や職場にはなんていったらいいだろう(人間関係について)
・入院が必要になるだろうか(経済面、社会面について)
・苦しまずに(または迷惑をかけずに)死ねるだろうか(スピリチュアルな課題について)
これらはあくまで例ですが、
むしろこれだけのことを疑問に感じられる患者がどれだけいるでしょうか。
また、こうやって自分の最期が想像できる期間がそもそもあるものなのでしょうか?

 

死ぬための心身の準備を落ち着いて行うには、
こういった疑問をクリアする必要がある訳ですが
これって最終段階のために必要なプロセスと考えても差し支えないですよね?
 

人生の最終段階はいつから

つまり、人生の最終段階とは、
自分が死ぬ時のことを考えざるを得なくなった時にはすでに始まっており、
むしろいつ死ぬかわからないことの方が本来多い
(ぽっくり死ねたらむしろラッキーかも?)

 

例えば、
がんと診断された時点で余命2ヶ月です、とか。
心筋梗塞で倒れてそのまま意識朦朧として人工呼吸器に繋がれています、とか。

 

人生の最終段階というのは、人間が生まれた時点から存在するものであり、
実は生まれた時から死ぬ時のことを考えていないと、ちゃんと最後のための準備は出来ないのではないのでしょうか。

 

それは言い過ぎにしても、
人生の最終段階とは、死を意識した時点で自分で考えられるとは限らない
だからこそ、平時から「もし自分ががんになったら」、「もし事故にあったら」とかっていう何気ない対話で価値観を共有しておくことが大事なのだと考えています。

 

参考資料
 

 
Instagramやってます

紹介している本などはこちら
ゴリラクリニック
 

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