どのように自分の専門性が学べる大学を見つけるのか
なぜCNSとNPは大学院なのか
大学院を受験するために行う教授面談とは何かというポイントを中心に、大学院の受験申請までにやるべきことについてお話します。
前回の大学院の受験資格である”学士”に関する記事も参考にどうぞ。

Contents
■なぜCNS/NPは大学院で学ぶのか(まえがき)
□大学院に行くのに考えて欲しいこと
この記事を書く前twitterにこんな投稿をしました。
CNSやNPは、臨床現場にある知のカケラを集め、普遍的なものに精製し直す役割をが求められます。
— けいた専門卒の専門看護師×楽しく稼ぐキャリアを考える (@keitamitsu) February 29, 2020
したがって、大学院での学習が必要になるのですね。
もちろんCNSやNPにならずとも看護の研究者、教育者としての道を志すにも大学院での学びと、研究的視点を持たなければ教育者とは呼べないのです。
前回の記事でも書きましたが、 大学院というのは看護学を学び、深める方法や初学者としての姿勢を学ぶ場所です。
看護学をどのように発展させて行くかは、自身の専門性にもよると思いますが、
全国津々浦々で行われる医療現場で、行われる看護の質を高めることは専門家として重要なものですよね。
今、目の前の仕事をして、月末のお給料をもらうことはとても大事ですが、
その繰り返しでは、患者への看護は向上しませんし、
後輩を育てることも、患者が減らすこともできません。
僕は医療という専門分野において、意図的に成長することは専門家としての責務と考えています。
こうやって前向きに看護を考えられている間は楽しく仕事もできると思いますしね。
では、前置きはここまでにして、本題に入っていきます。
■大学院を探す
□譲れないルールを決める
大学院を見つけて、選択するには大事なのは、
*自分がどんな専門性で看護を実践、学習していきたいか(どんな実践をしてきた経験があるか)
*通い続ける力を持っているか
ということになります。
*どんな専門性を目指すか
専門性については、希望は色々あるでしょうが、
専門性というのは、経験と学習とを結びつける作業(研究など)で高めていくものなので、
まったくやったことのない分野や場所で働くために大学院に来ました!というのは、 ものすごく場違いというか、もったいないと思います。
あとで書きますが、大学院では自分の師とする教授のもとで、 教授の思考を浴び続けます。 それに耐えられないと学び続けることはできません。
それは、これまでの自我、自信を脇に置いておくことができないと、それらが壊され1から組み直すこととなります。
それがある意味、実践者と研究者との大きな違いでもあるのかもしれませんし、
スペシャリティを持つ過程で基礎を作るために必要なこと、避けられないものなのだと思います。
したがって、実践経験に対する経験と思い入れが強いほど学びが深まると同時に、
そのまま卒後の力に直結する原動力となるということなのです。
*通い続ける力
結論から言うと、体力(気力)とお金ですね。
まず通えなければ話にならないので、自分が行きたい大学院に通えるだけの資金、距離は重要です。
遠ければ引っ越しも必要でしょう。
在学中に学費以外にも資料や参考書を購入したり、実習先にも実習費も支払わなければいけません。
僕は2年間大学院に通いましたが、家具家電も揃えてから一人暮らしを開始して、ざっと4〜500万はかかったと思います。
当たり前ですよね、生活の質落ちないんですもの。
あとは、CNSも最低取得単位数が38単位と増えているので、働きながら通うことも難しくなっています。
なにより、働きながら研究をしたりするのは、想像するだけで地獄のようです。
NPはさらに取得単位数も多いし、実習も大変だと思います。
体力や研究などに自信がなければ休職をして通うことをお勧めします。
□検索をする
では、そのような大学院を探していくにはどうしたよいか。
まず、希望する大学にCNSの育成コース(高度実践看護師教育課程)があるか調べる必要があります。
手っ取り早い方法は看護協会HP、もしくはNPであれば日本看護系大学協議会HPで探すのがいいかと思います。
□問い合わせする
しかし、高度実践看護師教育課程を持っていても、情報が更新されておらず、 HPに載っていないこともあります。
なので、自分の所属する地域の看護協会に担当部署がありますので直接電話で聞いてみてください。
とても親切ですし、確実です。
また、今後の開講予定の大学の予定も、情報が解禁されていれば教えてくれますのでぜひ利用してみてください。
■教授面談前に準備すべきこと
□試験ではないので緊張しなくていい
文字通りなので、本当に心配しなくていいです。
もちろん、明らかに人としてどうなん?ってことであれば相手も受け入れたいとは思わないでしょう。
でも、相手も専門家ですし、今後伸び代のある学生を受け入れたいわけです。
更に言えば、そういった臨床での経験や課題に対し、研究者たる教授らは飢えていますので、話をするのが大好きです。
どんな課題や経験をひっさげて会いに来てくれるのかとワクワクしている側面は少なからず持っています。
ぜひ、楽しそうに経験を語り、自分が今後看護師としてどのように働いていきたいのか話してください。
教授の印象も良くなることでしょう。
□大事なのは動機とロードマップ
先にも記しましたが、大学院では担当してもらう教授の思考を受け、 それを元に自身の専門性を磨く作業を繰り返します。
それは授業や実習や研究を通して行うわけですが、 そのためには、自身が経験してきた看護実践が、その教授のもとで深めていけるか、 深めたいと思えるかどうかが大事です。
ただ資格を取りたい、という思いだけでは本当に辛いだけで終わる可能性がありますし、
付いていけないと辞めるしかありません。
間違っているかもしれませんが、今はこう書かせてください。
必要があれば更新します。
なので、受験前に教授と話し合い、この大学で学んでいけるか、学んでいきたい課題や心意気があるかをお互いに知った上で受験に望むことが必要になります。
もちろん大事なのは研究課題の明確化です。
それがさっき書いた、「自身の専門性を磨く作業」の事前計画になるからです。
つまり、その道、
例えば、CNSなのかNPなのか研究者なのか、
または、がんなのか、急性・重症なのか、老人なのか、
そして、がん緩和なのか、化学療法なのか、など
自分が得意としてきた、またはこだわって看護実践してきた経験をもとに、
深めたい課題を実習や研究を通して、何か自分のものにする気があるか、という動機を明確にできると、
きっと教授面談はうまくいくでしょう。
僕は広く浅く興味を持ちやすいので、教授面談も、大学院入学後も、
自身の専門性を見つけるのに本当に苦労しました。
ただ言った通り、受験には関係ないので、いくら動機が強かろうが、いい印象を与えようが、 受験の合否に大事なのは試験結果ですけどね。
■まとめ(あとがき)
いかがでしたでしょうか。
僕自身、大学院時代の印象が強すぎて、受験前の苦労が薄くなっていて自分でも情報が浅く感じます。
更に言えば、修士論文が辛すぎて、授業や実習すら記憶が薄く感じます。
あんなに辛いと思っていたのに、です。
ただ、資格を取るためだけに行こうとすると辛いだけ、とか、
研究課題を明確にして受験や面談をすることが大切とか、色々言いましたが、
僕自身、研究課題もサブスペシャリティも、 大学院に入ってから変更しましたし、決定しました。お恥ずかしい話ですが。
偉そうなことを書きましたが、そういった初学者としての課題すらも学ぶのが大学院という場ですので、
教授面談の時点では、受験をするための心意気を、これまでの実践経験を交えて話せればいいのではないのかな?というのが本音です。
なので、まずはどんな看護実践者になりたいか、という心意気だけを持って大学の門を叩いてみることから初めてみることをお勧めします。
中には変な人もいるかもしれませんが、 学びたい気持ちのある人を門前払いするような教授は少ないと思いますよ。
ぜひ、悩んでいるなら一度、その悩みそのものをぶつけてみてはいかがでしょうか。
普段は、専門看護師、心臓リハビリテーション指導士として働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやTwitter、ブログを使って発信しています。
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