専門卒だけどCNS、NPを目指したいけど何をすれば良いのか
専門卒で大学院を受験するために何をすれば良いのかそして、最短1年半で大学院の受験資格を得る方法 について、
専門卒でCNSになった経験からお話します。

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■大学院は「学ぶ方法」を学ぶ場所(まえがき)
CNS(専門看護師)やNP(診療看護師)の資格取得のためには、
資格取得のための認定試験の合格が必要になります。
これはCN(認定看護師)も同じです。
中でも、CNSとNPに関しては、認定試験の受験申請をするために、大学院で学ぶ必要がでてきます。
CNの場合は決められた養成機関で半年強の学習を積み、卒業すれば、次年度の認定試験を受けられますが、そこが大きく違うところです。
なぜ養成する学校が変わるのかというのは、役割の違いがあるのですが、
それについてはまた別の記事で紹介できたらと思います。
1つ言ってしまうと、大学院とは研究を学ぶ場所です。
看護に限らず、学問を学習、研究し深める場所が大学という組織なので、 社会に出るための基礎知識を学ぶ場所として看護学部があります。
それに対し、大学院は大学で学んだことや現場で学んだことを、さらに“知”として深めるために、初学者としての作法を学ぶ場所なのです。
CNSやNPは、臨床現場にある知のカケラを集め、普遍的なものに精製し直す役割をが求められます。
したがって、大学院での学習が必要になるのですね。
もちろんCNSやNPにならずとも看護の研究者、教育者としての道を志すにも大学院での学びと、研究的視点を持たなければ教育者とは呼べないのです。
というわけで、自分が今後看護師としてどのような役割を担いたいかによって、
看護を探求し続ける役割を持とうとすれば、CNSだろうがNPだろうが教育者であろうが、 大学院での学びは必要不可欠になるのです。
なにより、「看護を学ぶ方法」を学ぶのは、大変ですが、楽しいことなのですよ。
ぜひ前向きに考えてみてくださいね。
■大学院の受験要項をみてみよう
大学院を受験するためには、 各大学院の提示する受験資格というものをクリアしている必要があります。
受験資格は各大学によって違うので、気になる大学の受験要項を自身で調べる必要があります。
そこで、まずはこちらをごらんください。
こちらは、看護界では有名な聖路加国際大学 大学院 修士課程(博士前期課程)の2020年度募集要項から引用しました。
大学院を受験するためには、 各大学院の提示する受験(出願)資格というものをクリアしている必要があります。
そして、受験資格は各大学によって違うので行きたい大学の受験要項を自身で調べる必要があります。
その際、大学院の受験資格のみるポイントは3つです。
①大学を卒業していること
②学士の学位を持っていること
③大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者
□「学士を取得すること」と「大卒」の違い
結論から言うと、どちらもほぼ同じ意味です。
通常、大学4年間在籍し、 必要単位を取得することで、 “学士”という学位と“○○大学卒業”というものを卒業の証として得ることができます。
学士…大学4年間で学んだ専門分野を証明する資格
看護学科を卒業すれば 、その証として“看護学”の学士、という学位を得ることができます。
そして大学院は、その大学卒業の証があれば受験することができるわけです。
看護専門学校では、あくまで看護師国家試験を受ける権利を取りにいっているにすぎないので、 それで3年を費やすのは、今になるとややもったいない気もしますが、
働くための資格を取得する養成校ですので、目的通りであり、ある意味最短なのですね。
看護師の多くは看護専門学校卒業の方が多いので、 普通に考えて大学院を受ける資格はないということになります。
でも僕は専門卒ですが、大学院を受験し、無事卒業することができました。
□大学を卒業しなくても、学士はもらえる
先ほどの聖路加国際大学の出願資格(1)-①にもあるように、 学位取得者も受験資格があることになっています。
これは千葉大学の大学院看護学研究科博士前期課程の出願要項の一部ですが、 やはり同じように、
(1)大学卒業者とは別に、(2)「学士の学位を授与された/される見込みの者」と記載されているので、必ずしも大学を卒業していなくてもいいのですね。
僕の場合、大学は卒業しておらず、大学卒業の証は持ってません。
しかし、看護学の学士は持っており、それを受験資格として提示し、受験をしました。
ちなみに、看護学部の卒業でなくても、普通大学の卒業と看護学校を卒業してるのであれば認められる場合があります。
どちらの要項にも、看護学部の卒業や看護学学士と明記していないのは、それが理由です。
それは大学院の求める受験資格というのは、大学4年間のカリキュラムをクリアしたという証明があれば良いからです。
大学院の修士課程や博士課程は大学4年間で培って学んだものを深め、極める場所でもあります。
そういう意味では、看護は看護学という学問によって成り立っているということを理解する必要があります。
なので、大学を卒業したこと自体が、学業上の“信用”となり、 何らかの学士と看護専門学校で取得した看護学の単位があれば看護の大学院の受験資格が得られるのです。
□学士がなくても受験はできる
そして、さらに言えば、 大学院の受験資格は大学が定める名目であり、
専門卒の看護師だろうが、「うちの大学院うけてみない?」 なんてことも大学の系列病院なんかではあるようです。
聖路加国際大学
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千葉大学
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要は受験資格と同等の“信用”は大卒であること以外で代用することもできるということですね。
それは経験年数だったり、研究の成果だったりするわけです。
若い専門卒の看護師さんが「めっちゃ勉強してきました!」と言っても受験はさせてくれないとは思いますが、
臨床での成果について、受験する大学院の教授と面談する際に、お伝えして受験できるか確認するのはあり、ということです。
■通信大学をつかって1年半で “学士”
□学位授与までの途
ここでは、詳しい入学手続きや学位取得のための機構への申請などについては触れません。
おそらくその辺りはすでにわかりやすいまとめサイトがあると思うので。
ここでは、看護学学士の学位を取得するには最短1年半でとれたよ、という話です。
その単位を学位授与機構というところに提出し、論文試験を受験することで、
通信大学入学後1年半後に、看護学の学士という学位を取得しました。
もちろんこれは受験しようとした大学の受験要項に“学士を持つもの”というのがあったこと。
そして学位認定には最短で1年半で済むことを考慮してこのやり方にしました。
学位授与機構のHPとその詳しい説明(「新しい学士への途」)を参考にしてみてください。
ちなみに僕は通信大学の授業は一切受けてません。
教科書をひたすら読み、期末試験を受けに通っただけで全て単位を取得しました。
授業をきくこともきっと有益だったんでしょうが、
何せ普通に働いてましたので、単位だけもらえればいいと思ってました。
そして、1つネックだったのは、試験期間はほぼ毎日のように試験が行われていたことでした。
通信大学では半年の間に大体20単位、およそ10科目近い授業を受けてましたので、その分の試験を受けるのももちろんですが、
試験の時間が被らないように授業を選ばないといけなかったので、試験スケジュールを優先して科目を選んだ記憶があります。
そのせいで、受けたい授業があっても泣く泣く諦めたこともありました。
もう忘れましたが。
もちろん、長期に休むことなどできませんので、所属部署の師長さんに相談をし、
およそ1週間の、休み、夜勤、日勤の組み合わせ案を提示し勤務を組んでもらいました。
理解のある師長さんだったのはとってもラッキーだったと思います。
□通信大学だとなぜ早いか
通常、看護の大卒と看護学の学士の資格を取得するには看護大学3年生からの編入が必要であり、最短でも2年が必要です。
加えて受験やら学費やらが必要で、さらに通学中は仕事ができません。
ただこれには、大卒の証と保健師の国家試験の受験資格を得ることができるというメリットがあります。
更に言えば、当時は、通信大学には看護学部はなかったので、
卒業しても、教育学部とか、心理学部のような学部の学士になってしまいます。
学位の申請を行うには専門や短大での取得単位と卒後1年以上経ってから取得した単位が必要になりますが、大卒であることの証明はいらないのです。
つまり、ちょっとした裏技ではありますが、
通信大学で受けたい授業の申請をし、テストなどをパスし単位を取得すれば、 退学してしまえば、入学後1年で取得した単位をもとに学位の申請をすることが可能となるのです。
(ちなみに、学校に所属していると学位の申請ができないはずなので、辞めるか卒業しなきゃいけないのですね)
したがって、学位取得のためには、1年の履修期間と単位があればいいので、
1年間通信大学に在籍し、その間に必要単位(31単位)取得するのが最短ということになります。
そして、残りの半年というのは学位取得のための申請と試験、合否の判定待ちで約半年かかってしまうのですね。
ここで嬉しいのは、通信大学というのは前期入学、後期入学などにわかれており、
さらに、学位授与機構への学位授与の申請も6月と10月にあるので、
年2回スタートの機会があることです。
ちなみに僕は放送大学を利用しましたが、10月入学をし、翌年の夏に退学、 10月に申請を行い、さらに翌年の2〜3月に学位を受け取りました。
これでちょうど1年半となります。
■まとめ(あとがき)
いかがだったでしょうか。
実際、大卒の看護師さんも多いので、あまり需要のある記事ではないかもしれませんが、
専門卒だからとCNSやNPを諦めて欲しくないという思いがあります。
学力やいろんな家庭の事情で大学に行けなかった(僕もそうですが)けど、
働き始めてもっと学びたいと思う人はたくさんいるのではないかと思っています。
そういった人たちに門戸を開いているのが、通信大学であったり学位授与機構だと思いますので、有効に使っていただきたいです。
最後ですが、通信大学の期末試験の時の話です。
試験を受ける型の中には、高齢の方々も多かったのが印象的でした。
引退されてから、昔行けなかった大学に行って勉強している姿(かどうかはわかりませんが)を想像すると、ちょっと羨ましくも思い、
僕もずっと何かを学ぶ人でありたいと思っています。
ぜひ一緒に看護“学”を盛り上げていきませんか?
こんにちは。専門看護師を目指しているものです。
専門看護師は給料はどのくらいになりますか?
最近頑張るモチベーションがなくて、、、詳しいお話をお聞きしたいです。
こんにちは☺️
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ございません。
専門看護師になってからの給与については病院によって手当てなどが異なるので
病院ごとにお調べになるのが良いかと思います。
が、あまり期待しないほうがいいと思います。
ちなみに私の病院ではボーナスに1万円手当がつく程度です。
多分つかない病院もある中で考えたらいい方だと思います。
モチベーションは難しいですよね。
私も苦労しています。
CNSになる前は、なってからやりたいこと、
CNSになってからは、また自分の成長や今後考えうる組織や社会に何ができるか、
そういったところでモチベを保つことになると思います。
ぜひ頑張ってください☺️
はじめまして。
とても分かりやすくて非常に参考になりました。
質問ですが、准看護師取得後、2年過程で看護師免許取得した場合でも同じでしょうか?
こんにちは☺️
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ございません。
看護師免許を取ってから、という意味では同じです。
准看護師さんであると、大学院の受験資格は得られないと思います。