専門学校卒から10年で専門看護師になるまでのキャリアロード【自己紹介】

まず、最初に断っておきたいのは、僕はそれほど高い志を持って看護師になったわけではありませんでした。

むしろ、モチベーションが上がらないからこそ、必死で自分がいかに楽しく仕事を続けられるかを考え続けた結果が、
今の自分の立ち位置になっています。

だからこその後悔もありますし、逆に運が良かったなと思うこともたくさんあります。

そんな、専門学校卒業の僕が、看護師10年目で専門看護師になるまでについて、 自己紹介がてらざっくりお話しさせてください。

・専門学校卒業、20歳代のキャリア形成について
・専門看護師までの道のり

以上について書いていきます。

けいたメモ:専門看護師

専門看護師、通称“CNS”(Certified Nurse Specialist)

日本看護協会により「水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できる看護師」として資格認定されている。
現在は、13の専門分野において2242名が全国で活躍している。



けいた
この記事を書いているのは、看護師歴10年ちょっとの者です。
専門学校卒で10年目に専門看護師になりました。 普段は、専門看護師として働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやブログを使って発信しています。「はじめまして」はこちらから。
 

Contents

■専門看護師を目指した譲れない理由

 

最初に書いた通り、僕はそれほど高い志を持って看護師になったわけではありませんでした。

よくここまでやってこれたなと思います。
本当に色んな人に助けてもらったと思います。

僕が看護師としてのキャリアを考えた時に、看護師として普通に働くことが向いていないことに気づいたんです。

その中で、自分が楽しく働くためにこれだけは譲れない、と決めたことが3つあります。
これから少し恥ずかしい話をします。  

 

□夜勤をしたくない

 

いきなり何を言ってるんだというかもしれませんが、
僕はもともと体が強くないこともあり、これから看護師を続ける上で、規則正しい生活は必須でした。

自分で言うのもアレですが、食事や運動には結構気を使っている方だと思います。

それでもこの仕事の特徴でもある夜勤業務の連続が、本当に体を蝕んでいるのが実感してきたんです。

どうしたらこの仕事をしながら夜勤をやらずにすむかずっと考えてきました。

もちろん今でも。 管理部門などではなく、直接患者に関われる部署や、病院を横断的に動ける信頼を得ることが重要だと考えるようになりました。  

 

□シンプルに多重業務が苦手

 

もうほんとに恥ずかしい話なのですが、
僕は何かをしていると、他のことができないし、何も聞こえなくなってしまいます。

さらに、1つのことが終わらないと次のことが始められません。

病棟のように、1日10人以上の患者のことを考えながら、次から次へと仕事が舞い込むと、 常に混乱して仕事をしているようなものなので、
スタッフとともに確認作業を繰り返しています。

昔から対患者での関わりを得意とする一方、いわゆる病棟業務は後輩の方がうまく回せるというのはよくあることで、
僕は対患者やスペシャリティを磨いていこうと考えたのです。  

 

□患者の側で看護師でいる

 

ここは自分にとって大事なところだったのですが、病院で働いていると看護が何かわからなくなることってありませんか?

僕は最初に勤めたリハビリ病院での経験を、参加した看護協会の研修で出会った専門看護師が言語化していたのが衝撃的であり、
自分も改めて患者との関わりにこだわっていきたいし、それをちゃんと伝えられるようになりたいと思い、
看護実践のスペシャリストである専門看護師を強く意識しました。

 

 

■流れに流された10年の道のり

 

僕が看護師になって、看護師を続けていこうと思ったのは、
最初に勤めたリハビリの専門病院での経験からでした。

今でこそいい経験だったと思いますが、
務める前は親にお金を出してもらった手前、辞めたいともやりたくないとも言えなかったこともあり、
関心のあったリハビリの分野で、看護師として働くことを考えたのです。

何より、治って元気になる患者を見ていれば楽しく働けるのではないか、 という安易な考えから、看護学校の同級生がいない病院に一人乗り込んでいったのです。  

 

□実は運動器のトレーナーになりたかった

 

実は高校で進路相談を繰り返す中で、看護師は親や担任教師向けの進路でした。

しかし、自分が関心が高かったのは、スポーツやリハビリといった分野でした。
結果的には、あまりお金をかけて私立の大学を目指すのは難しいとわかっていたので、
親などの顔色を伺ったまま看護学校に入学したのでした。

それでも少しでも興味が高い、そして患者さんの辛い場面に立ち会わなくて済む病院に行こうと思いリハビリの専門病院に就職しました。
元気になって帰ってくれる患者さんが多い方が前向きに仕事ができるのではないかと思ったのです。

リハビリの専門病院に勤めた後も、PTの専門学校に実際に通うにはどのくらいのお金が必要か、 PTを取るメリットは何かをひたすら調べまくったのを覚えています。

スポーツトレーナーも、日本で取得してもあまり価値がないのがわかってきたので、
アメリカでアスレチックトレーナー(AT)を取得するために留学するのはどうか、なども検討しました。

向こうのATは医術も身につけてますからね。  

 

□スポーツナースになりなかった

 

リハビリ病院で出会った患者や先輩との関わりの中で、看護の楽しさや専門性を学んだわけでしが、
めちゃくちゃ自分の看護師としてのキャリアを考えた時期でもありました。

前述したように、PTやATについて検索しつつも、 日本で看護師としてスポーツ医療に携わることができないかと考えたのです。

今でこそ九州大学などでは、院内資格としてスポーツナースの育成なども行い、
ラグビーW杯などに参加したりもしてたそうですが、
現場に必要なのは、やはり医術をもつ医者と、直接的に競技のためのトレーニングやリコンディショニングをサポートするトレーナーであることがわかってきました。

なので、看護師を持ったトレーナーになるか、看護師として怪我をした選手の治療やディコンディショニングに携わるかしか、 看護師としてスポーツに携わるのが難しいことがわかってきたのですね。

でも、リハビリ病院の経験から、看護自体に関心が高まり、専門看護師として患者に関わることを目指すようになったのです。  

 

□膠原病を専門にした看護師になりたかった

 

リハビリ専門病院から急性期病院に転職した理由に、
その病院がスポーツ整形が有名だったことがあります。

その他整形疾患も入院してくるので、リハビリ病院での経験が生きました。

同時に、そこには関節リウマチなどの膠原病の病床がある病棟でした。

免疫抑制剤の導入や点滴加療を受ける患者などは多く、
リハビリ看護の一端を見ることができたのです。 もちろん整形疾患の患者も術後、いろんな生活への支障があり、それらをサポートすることは看護師としてやりがいがあったと思っています。

その中でも、僕が受け持った患者さんで不明熱で入院した患者さんがいました。

1週間も2週間も抗生剤と採血を繰り返し、 未だに熱がある体に苦痛を感じながらも、「自分の病名がわかって安心しました」と言ったのです。

膠原病は難病などにも登録される疾患も多く、 さぞショックを受けるのではないかと考えていましたが、その思いをひっくり返されたのを覚えています。

それ以上に、自分の身に起きていることがわからないことが、身体的な苦痛よりもずっと辛かったことを教えてもらい
4〜5年目であった僕が、看護師としてまだまだだと、そしてもっと勉強したいと思った経験だったのです。

その方は内服薬を調整して、ご家族と共に帰ったのですが、
入院中、患者さんが介護福祉系の仕事をしていたこともあり、いろんなことを教えてもらいました。

娘ちゃんたちや旦那さんともよくお話していたので、最後には本人と娘ちゃんたちからお礼のお手紙をもらいました。

僕自身は、患者さんの苦痛に寄り添えていないと感じていたのですが、 患者さんはそんな中でも受け持ちとして関わってくれたことにお礼を言ってくれました。

必ずしも看護師としての行動の正解があるわけではなく、どんな看護が提供されるかは、患者としっかり共有する必要性を学びました。

それはそうですよね、看護だって医療の中の行為である以上、本人の納得のいく形で関わりがなければいけないのですから。

そんなこんなで、整形、膠原病病棟、血液免疫疾患・ガンなど病棟を経て、晴れて大学院に行くことになりました。

ここが本題ですが、最後の半年間を循環器内科病棟で経験したこともあり、
大学の教授と話した結果、実習先などを見つけたりするのに循環器の方がいいかもしれないよ、という甘い言葉に惑わされ、
不安でいっぱいだった僕は、循環器をサブスペシャリティにした専門看護師を目指すことになったのです。

 

■専門看護師受験までにやっておけばよかった

 

さて、これで大詰めです。

ここは、僕が大学院に行ってから思ったことを踏まえての後悔について少し書いていきますね。

 

□特定の“看護”分野での経験が大事

 

まずこれが一番大事なんですが、
看護経験がそのまま実践力になるとは思ってません。

もちろん経験を積んだからこそできることもあるでしょう。

でも、それを言語化して伝えることができなければ、知識や技術とは言えないのが科学の世界です。

看護は医療における一専門分野ですので、 学習するだけではなく、研究し、吟味し、実践し、広めるということが不可欠なんですね。

もちろん、管理者などすこし違った場合もありますけど、 それでも組織の看護の質を高めるような取り組みも、やはり研究と実践が大事。

それにあたり、先ほどの専門分野を入学後に変更するというのは、本来あってはならないのだと痛感しております(今は循環器でいいのですが)。

ある程度同分野で働いていると、病態などの知識面が充実しているのは当たり前なのですが、
その病態や治療などの知識は勉強すれば追いつけますが、
それらの知識が、患者の生活と結びついていく過程は現場でしか学べないのですね。

実習だけでは当然不足します。

そういった経験を意識して働いていれば年月は関係しないかもしれませんが、
見たことがある患者数が少ないので、自ずと蓄積してきた症例数が少なく、語りに厚みも出ません。

また、大学院を卒業した後の働く場所によりますが、 医師の治療の好みなども知っておくと、実際のガイドラインなどで推奨されている治療と経験に基づいた治療とで異なる点などについても知っておくことができます。

専門看護師であるかどうかは別として、 働く場所が近い医師とのコミュニケーションは重要です。

場合によっては、僕らは患者の立場で病気や治療を理解しなければなりませんが、
医師の意向やガイドラインだけに乗っ取った治療が患者の求めるものであるかはわかりませんよね。

そういった意味からも、ある程度近い疾患の分野などで働けていることは、
学びを深め、専門看護師として働いていくときに重要になってくると考えます。  

 

□どの教授の思考を浴びたいか

 

まず、大学院が研究をしに行くところです。

そして、専門看護師コースのある修士課程は、初学者が研究について学ぶところでもあります。

先ほどから言っている通り、看護も一専門分野であり、研究をして、知識や技術を普遍的なものにしていくことが役割の一つです。

そして、認定看護師に研究がないのは、教育課程が違うことがその理由です。

その中で、大学の教授選びは、大学選びと同じくらい重要です。

なぜかというと、修士の学生は、教授の思考をこれでもかというくらい浴び、
それによって自身の看護と向き合い、見つけていく過程を踏むからです。

わかりにくいかもしれませんので一例をあげると、 修士の2年目はほとんど修士論文(卒業論文)のために費やされますが、
その論文のための研究を進める際、1つ1つの患者の言葉の解釈や、結果の表現1つ1つに対しチェック・修正をもらいます。

もちろんそれまでの1〜2年間でもそういったこともあるわけですけど、 研究テーマや看護について検討・討論していくときに、あまりに教授と合わないと、 自分の中の看護が育たない可能性もあります。

大学院入学前から、自分の関心ある分野に強い教授かどうかをプロフィールなどで調べたりし、 実際に面談をして、受験をするかどうかを検討していきます。

なので、その時点でしっかり見極めていく必要があるので、大学の行きやすさだけで選ぶと、後悔することになりますよ。

 

 

□英語はできるに越したことはない

 

英語が必要な場面があるかというと、今だって読みたい文献があれば必要なんですけど、 一番必要なのは、修士論文を行う際の文献検討の時と、受験の時でしょう。

修士論文は最悪、なんとかなるかもしれません(この考えはアカン)が、 受験は他者との競争なので、ちゃんと準備した方がいいと思います。

英語力が求められるというよりも試験なので、 基本的な英語力を高められる勉強で十分です。

僕は受験の2年くらい前からちょこちょこ始めていたのですが、 1年前から始めたTOEICの勉強がドンピシャでした

偶然にもいい点数が取れてそれも履歴書にかけたので勉強しても損もなかったのです。
続けてないので、意味は消えましたが。

僕は受験では2大学受験しましたが、 どちらも英長文であり、それに対して日本語で数十〜百文字の論文で答えるものがメインで、学生の時の国語のテストみたいな問題が散りばめられていたと記憶しています。

なので、受験のことだけを考えれば、小論の準備をしつつ、英長文系の問題を多く経験することをオススメします。

ただ欲を言えば、英語に苦手意識がないのであれば、ワーホリや英論文などにチャレンジをしておくことは、今後長く研究に携わることを考えるとお得だと思います。  

 

■まとめ

  いかがだったでしょうか。

あまり専門卒を強調した割には、看護学学士を取得した経緯についてはかけていませんが、 それは別の機会に書きます。

もし何か受験など聞きたいことなどがあったら教えてください。 今後とも宜しくお願いします。  

 

 

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