日本の医療を語るのに外せないのが高齢化についてですが、
それについて回るのが、寿命という考え方。
日本は寿命が長いと言われていますが、結局それっていいことなのかどうなのか、
寿命の考え方で大事な健康寿命という考え方について看護師の視点で話していきます。

Contents
■日本の医療における健康
□寿命が長いことが健康ということではない
日本の平均寿命は長いことで有名です。
実際どの程度かも想像がつくでしょう。
男性80歳、女性87歳(2016年、厚生労働省)、 香港に続き、男女ともに世界2位(2017年)と言われています。
ていうか、1位じゃないんですよね。
しかし、寿命が長いからといって、 その人らしく健康的に生き、生活できているとは限らないですよね。
人間が病気やケガ、認知症などで日常生活に影響がなく過ごせる期間のことを、 「健康寿命」と言います。
日本は健康寿命も、シンガポールに続き2位ということで、世界の中では長い方です(2016年)。
しかし、問題なのは平均寿命と健康寿命の差です。
□健康寿命を終えた後の生活とは
前述した通り、生きていく上で多くの人が大切にするのは、 いかに自分らしく、人に迷惑をかけずに生活できるかです。
これは、多くの看護文献などでも患者の療養行動に直結する1要素です。
日本は何らかの生活への弊害を感じ生活をしている人、 介護が必要な人、
つまり、平均寿命と健康寿命の差の長い人が多いことでも有名なのです。
2016年の厚生労働省のデータでは、男性8.84歳、女性12.35歳であり、 大体、男女ともに10年近くあることが課題になっています。
これが何を意味するかというと、 高度な医療や介護を利用する期間が長いこと、 そして、医療費や介護費を消費する期間が増大するということなのです。
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引用:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_2_2.html
□健康に生活できるということと
健康に問題がある、生活に障害がある、という実感は人それぞれであり、
健康寿命の概念にもまだまだ改善の余地があると思います。
しかし、人が健康に生きているという実感は、 病気になって辛い思いをしたり、お金がかかる、仕事を休まなければならないなどと感じてから認識することでもあります。
僕ら医療者は、病気やケガで辛い思いをする患者さんを少しでも減らすと同時に、
たとえ病気があったとしても、少しでも長く健康的だと感じれるようなケアを提供できることが望ましいのでしょうね。
つづく
普段は、看護師と働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやブログを使って発信しています。「はじめまして」はこちらから。