僕も今まだまだ勉強中なのではっきりと申し上げられませんが、
ちょっときっかけがあったので少しだけ書きたいと思います。
昔、専門看護師に関してInstagramを通してご質問を受けました。
質問者さんが実際にお聞きしたかったのは診療看護師という、アメリカで言うところのナースプラクティショナーという、診療行為を行う看護師のことです。
日本でも診療看護師の動きはあって、一部の大学では大学院のカリキュラムを作って、すでに卒業生は現場で看板を背負って外来などで活動をされています。
いわゆる特定行為研修を修了した看護師とは別物です。
一般社団法人日本NP教育大学院協議会は、診療看護師(NP)について、
そして、診療看護師(NP)の役割は、保健師助産師看護師法に定められた看護師の業務(療養上の世話、診療の補助行為)を自律的に遂行し、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施することである、としており、
特に、医師不在の時間帯に、施設(訪問看護ステーションや特別養護老人施設等)などの在宅や地域の場において、患者の症状に応じたタイムリーな診療を提供することができ、重症化等を防止し、患者のQOLの向上を図ることなどに期待をしていることが、NP教育大学協議会の説明からもわかります。
では実際、診療看護師になること、その背景について簡単に書いていきます。
(昔書いたものなので、一部情報がおかしい部分がありましたら随時修正いたします)

Contents
■看護師として医行為を行うとは
□診療看護師という存在の意義
診療行為を行える看護師のメリットとは?
医師の専門行為を看護師がやるメリットとは?
多分この辺りがポイントだと思います。
流行らない理由の一番は、医師が自分たちの専門性をとられることに反対しているから。
逆に診療できる看護師が必要な理由は、医師がやりたくない医師だけの仕事を看護師にやらせたいから。
と言われてきました。
また、これからの高齢化を背景として、病院の少ない地域などで医師ではない看護師がその役割のいくつかを担えることが重要ではないかという考えがあります。
実際アメリカなどでは診療看護師が病院の少ない広大な土地の真ん中に診療所のようなものを構え、予防や悪化防止に努め、難しい症例、悪化した症例を病院に繋げるという重要な役割を担っています、簡単に言えば。
ヨーロッパなんかでも気軽に相談できる近所の先生的な感じで診療看護師がいる国もあります。
それだけ聞くと必要そうですが、
じゃあ看護師の専門性って誰が担うのという問題がでてくるのですね。
□病棟看護師の未来
ちょっとこれから現実的な話をしますが、
看護師の人数が確保されなければいけない理由は、入院基本料7:1という診療報酬です。
これで看護師の数を確保すると、入院によって良い看護が提供されているという証明になり、患者さんから、もとい国から(患者さんは0〜3割支払いなので)数億円のお金が病院に入ります。
大きな病院ほど人件費がかかるので、このお金のとれる・とれないが病院経営に大きく関わります。
病院が看護師を必要とするのは、ほとんどこれが理由です。
だって医師も事務さんも看護師の専門性ってよくわかってないですもん。
それは看護師である僕らも同じ。
しかも、今は医療費が大きいという理由で地域医療への移行が進んでおり、
病院の数、病院のベッドの数が減らされていきます。
そうするとますますお金のかかる看護師はどんどん放出され、募集されなくなっていきます。
そして、地域医療が進められている今、
病棟看護師経験しかない看護師さんが1番辛い目にあうのではないかと考えます。
そしてなぜか病棟看護師さんは怖いもの知らずです。
地域で暮らしている患者さんがどんな生活をしているかを知らないので、
よかれと思っている患者さんへの教育や関わりが十分なのか不足しているのかの判断がつかないのです。
そして再入院してきた患者さんには自己管理ができない人のレッテルを貼ります。
これは看護師だけに言えたことではないですが。
つまり、今後病棟での看護師経験しかないことが看護師としてのキャリアの一番の傷となる可能性があります。
うちは訪問看護や外来や保健師の経験があったほうがいいんだよなぁ、なんて事務さんに言われる日が来るかもしれないのです。
怖過ぎますよね。
そんな中でも僕らの先輩たちは必死に国と話し、看護師の技術によって患者が良くなるというデータをちゃんと出して、
看護師の地位を徐々に牛歩のごとく積み上げてきました。
フットケアや感染管理なんかが有名ですよね。
最近では精神看護あたりが熱い。
あとはがん看護はやっぱりまだまだ力を持っています。
□看護師と患者との間には必ず意図がある
さて、何が言いたいかというと、
お金にならなきゃだめだってことではないんです。
ちゃんと認められる力を看護は持っているということを言いたい。
実際僕にはその力はありませんが、そこは置いておいて。
学問として確立し、理論もたくさんあります。
それを現場での看護師さんたちはそれを学ぶ機会がないこと、
また、自分たちが行っていることがすごいことに気づいていない。
看護師が関わって患者さんが笑顔になる、
退院後の生活の不安がとれる、
そんな関わりができるのは、
「病気の知識と患者さんが生活で大事にしたいことを結びつけて考えられる力を持つから」です。
そして、それは看護師の専門性です。
保助看法でいう診療の補助×療養上のお世話という看護師の仕事はこのことだと思っています。
診療ができる看護師、素晴らしいじゃないですか。
病気をちゃんと診察できて、患者さんの生活に合わせて、薬や食事の調整ができたら最高じゃないですか。
ぜひやれる人がいたらやってほしい。
でもその前に僕らは看護師なんです。
それを認識したうえで、目指すべき自分の看護師像があるといいんじゃないでしょうか。
資格をとることがすべてではありませんし、
資格をとったって給料はあがりませし、さらに仕事が増えるだけです。
さっきもいったように看護師は患者さんにちゃんと意図的に関わって声をかけたり、触ったり、時には怒ったり、一緒に泣いたりします。
理由があれば、患者の隣で行われることは全て意味がある重要な看護行為なんです。
そしてそれを後輩の看護師や看護学生に伝えられたらいいんじゃないでしょうか。
その事例が集まったら、それは立派な理論になります。
同じような事例に関わるときのヒントになります。
そうやって学問は発達するんです。
看護は業務じゃないんです。
意味があって意図的に関われるから看護師っていう専門資格なんです。
患者さんを拭いたり、笑わせたりするのは家族でも医師でもヘルパーでもできます。
何でその行為が生活のなかで必要なのか、それを考える機会を与えるのが専門看護師や学校の先生なんじゃないかと思っています。
■まとめ
さっき、診療できる看護師が必要な理由は、医師がやりたくない医師だけの仕事を看護師にやらせたいからと話しました。
「それでもいいから診療看護師になりたい」と言っている人には僕は注意を呼びかけます。
なぜなら、それは診療看護師としてのニーズ、役割を見極めないまま働くことは、看護師として働くことを放棄していることにもなりうるからです。
僕が診療看護師を認める理由は、診療行為を行う知識や技術を持って活用できる能力を尊重しているからであって、
もしPA(フィジシャンアシスタント)と呼ばれる医師の補助者として、診療行為自体がやりたいだけであれば医師になってください。
だってそれはもう、看護師ではないから。
長くなりました。
別に特別なことは書いてないですよね?
ただどうしたら看護師がよりよく働けるかを書いたらこんなんなりました。
収集つかないので、
とりあえず今回は終わり。
専門学校卒で10年目に専門看護師になりました。 普段は、専門看護師として働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやブログを使って発信しています。「はじめまして」はこちらから。