以前質問のあった”糖化現象”について書きたいと思います。

Contents
■歳をとるということと食事
糖化とは体内のたんぱく質と糖分が結びついて加熱される現象を呼びます。
体内の熱や調理による熱によってたんぱく質が熱せられることと酸化現象の関係は未だにはっきりはしていませんが、
糖化=老化というストーリーが出来上がりつつあります。
□糖化という老化とは
その理由として、 老化は身体の年齢的な変化を言います。
その体である肌や体内臓器は何でできているかを申しますと、 大部分はたんぱく質です。
つまり長い年月をかけて体温によって熱せられたコラーゲンなどを弾力のないものに変えていってしまうことで、本来の働きが出来なくなると言ったことが起こります。
肌に張りがなくなったり、骨がもろくなるのはそれが理由です。
それ以外にも血管の弾力性が失われる動脈硬化、 白内障、脳神経障害などもその組織内特有のたんぱくが糖化して機能不全を起こすことが理由であると言われており、
年齢的な変化と強く結びついていることが、前述した老化との関係を示すデータとなっているわけであります。
□糖化予防のための調理
さてでは、どうやって気をつけるべきなのか。
糖化現象は完全にストップすることは出来ません。
なぜなら動物は体温を下げてはいきていけないからです。
すくなからず、食べて生きる上で糖化は進むのです。
アンチエイジングをがんばっても老化はするのと同じです。
ただ加速することを抑え、出来る限り緩やかにすることは、上に書いた病気の予防や健康寿命の促進に繋がりますので重要です。
そもそも熱によるたんぱく質と糖の変成が原因なので、 1つは高温で熱した食べ物を食べ過ぎないことが予防の第1歩です。
フライとグリルですね。
よく焦げたものを食べるとがんになると言いますが、
発がん物質にもそういったことが関連していてもおかしくないですよね。
水分で熱するものは100℃以上にはならないので、 200℃以上になることもある調理法で熱するフライやグリルに比べれば糖化した物質の体内への侵入は大きく抑えられます。
もちろんその時の味付けも同じです。
たんぱく質食品と糖質食品は合わせて食べられることが多い。
特に動物性食品はその傾向が強いので注意を。
長くなってきましたが、あともう1つ。
体内での糖化現象は”血糖値”が大きく関わります。
糖尿病のような血糖コントロールが難しい人は特にその現象が進みやすく、
糖尿病の人が認知症等になりやすい理由の1つと言えるでしょう。
もちろん炭水化物中心の食事や運動不足等様々な原因が絡んできますが、
それはまたそのうち。
まだまだ研究段階ではありますが、 身体の健康を保つの指標となってくるかもしれません。
【出典】
AGE測定推進協会ホームページ
健康栄養学 第2版 共立出版
つづく
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普段は、看護師と働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやブログを使って発信しています。「はじめまして」はこちらから。