食後の甘いものが欠かせない、
しょっぱくないとおいしく感じない、
毎日同じご飯でも大丈夫、
つい七味やタバスコを入れすぎてしまう、
飲みものは冷たくないと飲めない。
これら全て味覚障害、もしくは単なる味の嗜好である、 という話をしていきます。

Contents
■味が濃くないと食べれないのはなぜ
甘味や塩味が強いほどおいしく感じてしまう人は、 毎日同じご飯でも大丈夫、というものにも繋がりますが、
恐らく食材の旨味でご飯を楽しめない人であることが考えられます。
□クセになっているのは調味料
外食やコンビニご飯、スーパーのお惣菜は、基本的にある程度保存がきくように味が濃いめで作られていることが多いです。
クセになるのは美味しさ、ではなく、
クセになる調味料の量によって消費者の味覚を惑わしていると言えます。
時間が経った料理はその食材に含まれる栄養素が壊れ、 また保存のために普段なら不要な調味料などが含まれていることもしばしば。
そしてコスト削減のために大量調理、運搬、そういった行程の中で、たくさんの保存量や保存方法が実行されており、
消費者の口に入る頃には、もともとの食材がどういった物に変わっているかは見当がつきません。
もちろん全ての商品がそうであるとも言えませんが、
前回話した内容【食材を選ぶ目を養う】からすれば、 本来自然のものを自然のまま摂取するという理想からは大きくかけ離れています。
そういった保存ができない食材本来の旨味や香りが普段味わえない現代人にとって、
味が濃くないとおいしいと思えないというのは、「損」でしかないのではないでしょうか。
■刺激が強いものしかおいしくないのはなぜ
そして刺激物について。
辛い、冷たい。
こういった料理や飲料がおいしく感じる人は口腔内の刺激が好きである人であると言われています。
□「冷たい」が好きは、刺激が好き
特に冷たい飲み物に関してはあまり知られてはいないかもしれません。
入院患者さんにもよく聞かれるのは「氷水作れますか?」
最近では、食べる用の氷は衛生上作らない方向になっているのが実情です。
体温から大きく逸脱した冷たい飲み物やアイスは、急激に消化管を冷やし、消化管の動きを悪くする(鈍るだけではなく、逆に刺激を受け激しく活動してしまう)だけでなく、
その粘膜などにも影響を与え、将来的な消化管疾患への影響が懸念されます。
血管と消化管は大切にすれば健康寿命に大きく影響を与えるものなので、大事にすべきです。
水分摂取をするにしても、体温に近い温度での摂取の方が吸収は良いとされ、 消化管の動きが悪ければ、吸収率は悪くなります。
さらに、消化管の疲労や刺激を考えると、吸収されないものを摂取する意味を、僕は見出せません。
「冷たい」が好きは、「冷たさ」という刺激と一緒に摂取してきた慣れのせいです。
身体の勘違いを、しっかり脳で制御すれば、また本来の味覚などの感覚は取り戻すことができます。

■カロリー0の怖さ
また、カロリーがないからと人工甘味料入りの飲料や食べ物を多く摂取している方は、 味の嗜好が甘みから離れられないことが考えられます。
□人工甘味料はデータが少ない
人工甘味料の歴史は浅く、特に乳幼児や病気を患っている方々の摂取は安全というデータは少ないので、何があっても文句は言えません。
人工甘味料は、体内にほとんど吸収されないため、エネルギーを発生させない=カロリーが低い、とされます。
糖尿病の人なんかの食事療法で使用されることもあります。
しかし、よくキシリトール入りガムの食べ過ぎでお腹を壊す方がいますが、
吸収することのできない成分という特異な成分を検知した腸が、過敏に反応していることが考えられます。
□人工甘味料を食べる意味
神経質になる必要はありませんが、自然な甘味料の方がコクや深みもあるし、 何より人工物より美味しいはずです。
最後に、身体に吸収されない人工甘味料を食べる価値ってなんなんでしょう。
食べ過ぎることを止められないから、人工甘味料に変えることで食べることをOKにしてもいいのでしょうか。
食事は身体を作るために食べることでもあることを忘れないようにして欲しいと願っています。
つづく
▶︎ #けいたの栄養学バックナンバー
【大切な人のための食事】
【炭水化物ダイエットの落とし穴①】【②】
【食物繊維と大腸の関係性①】【②】
【たんぱく質神話①】【②】【③】【④】
【日本の食品安全神話はすでに崩壊】
【カルシウムと骨折①】【②】
【カロリーを気にしては痩せない①】【②】
【栄養バランスの本当の意味】
【食材を選ぶ目を養う】


普段は、看護師と働きつつ、料理や栄養の知識なんかをInstagramやブログを使って発信しています。「はじめまして」はこちらから。